全国果樹研究連合会(全果連)は3月14〜15日、山形県天童市において、山形県JA園芸振興協議会果樹部会との共催で第4回全国サクランボ研究大会山形県大会を開催した。会場の天童温泉「ほほえみの宿 滝の湯」には、全国のサクランボ生産者や指導機関の関係者約300名が集まり、「サクランボ到来150年〜未来へつなぐサクランボづくり〜」を大会テーマとして研究・事例発表が行われた。
発表に先立ち、第4回全国サクランボ研究大会山形県大会実行委員会・秋場尚弘委員長(全果連西洋ナシ・サクランボ部会長)が主催者あいさつを行い、山形県農林水産部・駒林雅彦部長、全国農業協同組合連合会山形県本部運営委員会・折原敬一副会長からの歓迎のあいさつに続いて、農林水産省東北農政局・鈴木良典局長から来賓祝辞を頂いた。
全果連会長賞は、秋場尚弘氏が受賞した。秋場氏は、先駆的に山形県育成のオリジナル品種「紅秀峰」を導入し、また、嘱託指導士会長として、栽培・生産技術の向上に尽力した。輸出事業においては、「寒河江市海外輸出推進協議会」の初代会長として、輸出専用資材の導入・販売先の新規開拓に貢献した。国内販売においては、山形県での品評会や首都圏での即売会等、山形県産サクランボのブランド向上に大きく貢献した。
続いて、各道県の品種動向と品種開発の方向性について、北海道・吉田昌幸氏、青森県・山道和子氏、山梨県・富田晃氏、山形県・石黒亮氏から説明が行われた。
次に、事例発表では、「南限地域における私のオウトウ栽培」と題し(公社)山梨県果樹園芸会・秋山仙一副会長より、「「初夏のルビー」のブランド化を目指して」と題しJAさがえ西村山紅秀峰ルビーの会・土田彦雄会長より、講演が行われた。
引き続き、「さくらんぼ収穫ロボット」について、山形大学大学院理工学研究科・妻木勇一教授より、研究発表が行われた。
最後に、研究大会は下記の「大会決議」を全会一致で採択し、閉会した。
研究大会決議(要旨)
1.消費者から信頼される安全・安心で美味しいさくらんぼ生産に取組む。
2.農業経営の安定と収益向上をはかるため、低コスト、省力・軽労化技術の導入を進め、高品質安定生産に取組む。
3.各産地において産地基盤の整備・強化を進め、関係者が一体となって「担い手」の育成と労働力の確保につとめる。
4.産地、行政、流通関係者が一体となり、「毎日くだもの200グラム運動」と積極的な「食育」活動を実践し、さくらんぼの消費拡大に取組む。
(日園連業務部落葉果樹課)