全国果樹研究連合会(全果連)は8月30〜31日に三重県伊勢市にて、第63回全国カンキツ研究大会三重県大会実行委員会との共催で第63回全国カンキツ研究大会三重県大会を開催した。会場の「シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢」には、全国のカンキツ生産者や指導機関の関係者約530名が参集した。
今回の第63回大会は「目指せ!きらりと光るかんきつ産地」を大会テーマに事例発表が行われた。
三重県大会実行委員会会長・北川俊一氏の開会宣言の後、事例発表に先立ち、全果連カンキツ部会部会長・笹川辰朗氏、第63回全国カンキツ研究大会実行会副会長・西村隆行氏が主催者挨拶を行い、三重県知事・一見勝之氏、全農三重県本部運営委員会会長・谷口俊二氏からの歓迎挨拶が行われた。
続いて、農林水産大臣・野村哲郎氏(代読:東海農政局長・森重樹氏)、衆議院議員・鈴木英敬氏、三重県議会議長・中森博文氏より来賓祝辞を頂いた。
高橋柑橘賞及び全果連会長賞授与式が行われ、高橋柑橘賞には、令和4年度受賞者の木下満夫氏(長崎県)、令和5年度受賞者の武田孝二氏(愛媛県)の2名が、全果連会長賞には、大西誠氏(三重県)がそれぞれ受賞された。
事例発表では、伊勢農業協同組合管内生産者・西敏勝氏より「高品質な『みえ紀南1号』生産への挑戦」について、伊勢農業協同組合三重南紀経済センター営農柑橘グループ・古芝正樹氏より「高品質な極早生温州の栽培管理と今後の産地の取り組みについて」、三ヶ日町農業協同組合管内生産者・清水厚徳氏より「私のミカン栽培の取組と将来について」、西宇和農業協同組合農業振興部・菊池泰志氏より「西宇和みかん支援隊を核とした新たな担い手育成システムの確立」の発表が行われた。
研究大会は下記の「大会決議」を全会一致で採択した後、次回開催権の紹介(令和7年:和歌山県)では、和歌山県農生産販売対策委員会委員長・中山裕之氏より挨拶・紹介が行われた後、第63回全国カンキツ研究大会三重県大会実行委員会副会長・伊藤敬氏より、閉会の挨拶が行われ、盛会裡に終了した。
研究大会翌日の視察では、Aコース・Bコースに分かれ、葛燻Rパイロットファーム(西地郷園地)にてドローンや改良型のSSによる薬剤散布の実演、志原団地の山本典子氏の「みえ紀南1号」園地でのスマート農業(ウェザーステーション・気象観測装置の設置とマイクロスプリンクラーによる散水の自動制御の実証について)、三重県農業研究所紀南果樹研究室にて高品質な果実の安定生産に関する技術開発状況についての視察を行い、現地では、活発な質疑応答が行われた。
【 研究大会決議(要旨) 】
◯ 生産者目標量達成のための仕上げ摘果の徹底と計画出荷の推進
◯ 基盤整備や園地集積による生産力強化
◯ 消費者ニーズに沿った高品質果実生産のための技術の研鑽
◯ 「毎日くだもの200グラム運動」を通じた消費拡大への取組
(日園連業務部生産振興課)