全国果樹研究連合会(全果連)は7月11日〜12日に、第64回全国ナシ研究大会実行委員会との共催で第64回全国ナシ研究大会を、栃木県宇都宮市にて開催した。全国のナシ生産者や指導機関の関係者約530名が出席した。
今回の第64回大会は「生産力と経営力で支える産地づくり〜担い手が夢を描ける未来へ〜」を大会テーマとして記念講演・事例発表・バーチャル産地視察が行われた。
記念講演・事例発表・バーチャル産地視察に先立ち、全国果樹研究連合会・寺地政明会長兼ナシ部会長並びに第64回全国ナシ研究大会栃木県大会・江崎哲治実行委員長が主催者あいさつを行い、栃木県・福田富一知事、全国農業協同組合連合会栃木県本部・国府田厚志運営委員会会長からの歓迎あいさつに続いて、農林水産省関東農政局・安東隆局長から来賓祝辞を頂いた。
全果連会長賞は、相場克元氏(栃木県宇都宮市)が受賞した。同氏は、栃木県内においてナシの生産量の安定と収穫期間の長期化による収益性の向上及び労力分散など、技術向上や販売促進等生産振興に貢献された。また、地元産地の専門部長として、JAの合併に伴う生産組織・選果場の統合や県内トップのナシ生産量を誇るスケールメリットを生かした有利販売の体制整備に尽力された。
続いて、栃木県農政部経営技術課・櫛渕康平主査より栃木県の果樹生産概要の説明を頂いた後、記念講演に続き事例発表が行われた。
【記念講演】
・「ナシと果樹経営をめぐる生産・流通システムとビジネスモデル」
千葉大学・斎藤修名誉教授
【事例発表】
・「県オリジナル品種と早期成園化技術の導入によるナシ産地の活性化」
鳥取中央農業協同組合・唐ア大義氏
・「明和ナシ産地再生への取組〜120年の歴史ある産地復興を目指す〜」
群馬県東部農業事務所・鈴木智也氏
続いて栃木県農政部生産振興課係長・沢慎氏より、バーチャル産地視察の紹介が行われた後、最後に、以下の「大会決議」を全会一致で採択し、閉会した。
【 大会決議(要旨) 】
1.生産園地の基盤整備や担い手の確保を進めるとともに、低コスト省力生産技術の活用及び販路拡大等による所得向上に取り組み、持続可能なナシ生産を実現する。
2.消費者の期待に応えるため、新技術や新品種の導入などにより、高品質で安全・安心な梨の安定生産・供給に努める。
3.産地間連携を強化し、情報や技術の共有化に努め、安定した価格の実現を図る。
4.「毎日くだもの200グラム運動」と「食育」を積極的に推進し、更なる消費拡大を図る。
(日園連業務部生産振興課)