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第63回全国ナシ研究大会が開催される

 全国果樹研究連合会(全果連)は7月10〜11日、福島県福島市において、全国農業協同組合連合会福島県本部との共催で第63回全国ナシ研究大会福島県大会を開催した。会場の「パルセいいざか」には、全国のナシ生産者や指導機関の関係者約830名が集まり、「未来へ繋ぐ果樹産業〜"令和"時代のナシ産地づくり〜」を大会テーマとして事例発表・記念講演が行われた。
 発表に先立ち、全果連・寺地政明ナシ部会長、第63回全国ナシ研究大会福島県大会実行委員会・菅野孝志委員長(全農福島県本部運営委員会会長)が主催者あいさつを行い、福島県・内堀雅雄県知事(代読:井出孝利副知事)、福島市・木幡浩市長、郡山市・品川萬里市長からの歓迎あいさつに続いて、農林水産省東北農政局・川合靖洋局長(代読:真鍋郁夫生産部長)から来賓祝辞を頂いた。

 全果連会長賞は、石田仁一氏が受賞した。石田氏は、地域農業に対して、旧新ふくしま農業協同組合なし専門部会長として、新技術の地域への普及に努めている。また、福島市農地除染協議会委員も務め、原発事故による風評被害払拭に積極的に取り組み、地域農業の未来を見据えた貢献活動に取組んだ。自身の農業においては、透過式光センサー選果機の選果データを活用し、栽培管理方法の改善に取組み、高品質・高糖度の果実生産に取り組んでいる。また、交信攪乱剤(性フェロモン剤)を積極的に取り入れ、安全・安心なくだもの生産に向けて、省農薬栽培に取り組んでいる。
 続いて、「福島県の果樹の概要」について、福島県農林水産部園芸課・長谷川守人課長から説明が行われた。
 次に、事例発表では、ふくしま未来農業協同組合そうま地区なし部会・坂下耕一氏より「震災からの復興」、上都賀農業協同組合梨部・渡辺克浩氏より「ナシ盛り土式根域制御栽培法の実践について」、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門品種育成領域ナシ・クリ育種ユニットリーダー・齋藤寿広氏より「近年のナシの育種動向について」、講演が行われた。
 引き続き、「国内・国外から見たナシの流通について」と題し、イオンリテール潟Oループ商品本部海外商品部食品輸出担当部長・頼房伸吾氏より、記念講演が行われた。
 最後に、研究大会は下記の「大会決議」を全会一致で採択し、閉会した。

 

【 大会決議(要旨) 】

1.優良品種の開発・新技術の研究、情報の共有化を図り、高品質で安全安心なナシの生産・供給に努める。
2.生産園地の基盤整備や低コスト省力生産技術の導入、また、所得の向上と担い手の確保を進め持続可能なナシ栽培を実現するとともに、日本の果実を海外にPRすることを目的として輸出拡大に向け積極的な取組みを展開する。
3.「毎日くだもの200グラム運動」と「食育」を推進し関係者が連携し、更なる消費拡大を図る。

(日園連業務部落葉果樹課)