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第62回全国リンゴ研究大会を開催

 

 全国果樹研究連合会(全果連)は8月24〜25日、宮城県宮城郡松島町にて、第62回全国リンゴ研究大会宮城県大会実行委員会との共催で第62回全国リンゴ研究大会宮城県大会を開催した。会場の「ホテル松島大観荘」には、全国のリンゴ生産者や指導機関の関係者約350名が参集した。

 今回の第62回大会は「リンゴづくりの新たな形!〜次代へ繋ぐ産地を目指して〜」を大会テーマに記念講演・基調講演・事例発表が行われた。 記念講演に先立ち、第62回全国リンゴ研究大会実行委員長・都築祐一氏、全果連リンゴ部会長・内山国仁が主催者挨拶を行い、宮城県知事・村井嘉浩氏(代読:宮城県副知事・池田敬之氏)、松島町長・櫻井公一氏、亘理町長・山田周伸氏からの歓迎の挨拶を頂いた。

 続いて、農林水産大臣・野村哲郎氏(代読:農林水産省大臣官房審議官・佐藤紳氏)から来賓祝辞を頂いた。

 全果連会長賞は、宮城県亘理郡亘理町逢隈地区の齋藤勝市氏が受賞した。齋藤氏は、高品質果実生産に向けた新技術の導入や優良品種の導入更新、有利販売に向けた販売体系の確立、加工施設建設や組織化などの活動支援を行ってきており、産地維持・発展に向けて多大なる貢献をした。

 記念講演として、「フルーツの力で被災地の復興を〜省力栽培を軸とした観光農園〜」を演題に、仙台ターミナルビル滑マ光農業部専門監・菊地秀喜氏より講演が行われた。 続いて、基調講演として「我が国のリンゴ栽培の特徴と今後の展望」を演題に、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門果樹生産研究領域長補佐・岩波宏氏より講演が行われた。

  次に、宮城県農政部園芸推進課長・相澤和浩氏より「宮城県の果樹生産の概要」について、ご紹介頂いた。

 引き続き、事例発表では「上伊那ブランドの構築〜産地形成とその背景〜」について上伊那農業協同組合園芸経済部園芸課課長代理・柴誠裕氏より、「産地を次代へつなぐ新旧取組〜本会教育事業と弘前型園地継承システム」について(公財)青森県りんご協会常務・沼畑孝平氏より、「小さな町のブランドりんご」について宮城県蔵王はるか会・佐藤康宏氏より発表が行われた。

 最後に、研究大会は下記の「大会決議」を全会一致で採択し、閉会した。

 研究大会翌日は、仙台ターミナルビル鰹奄フ農業事業園地である「せんだい農業園芸センター」、仙台市東部被災地域に再び賑わいを取り戻すことを目的に作られた「JRフルーツパーク仙台あらはま」、豊かな風土の恩恵を受けた“潮風りんご”を生産する「結城果樹園」(亘理郡亘理町)の視察を行った。現地では、活発な質疑応答が行われた。

 

【 研究大会決議(要旨) 】
◯ リンゴ生産者は、自らの経営を見直し、既存の技術を磨くとともに新たな技術の導入に努め、安全で高品質な果実生産や省力・低コスト生産に取り組む。
◯ リンゴ産業が直面している課題に対して、生産者及び産地間の連携強化を図り、次代へ繋ぐ魅力ある産地づくり及び担い手確保・育成に取り組む。
◯ 消費者と連携し、国民の健康増進と健全で豊かな食生活を目指し、「毎日くだもの200グラム運動」の推進や「食育」に取り組む。
◯ 生産基盤や担い手確保に係る支援対策の強化、試験研究機関による新技術開発と普及機関による開発技術の早期普及・定着の体制強化を要望する。

○ 薬剤抵抗性病害虫に対して、予察・防除対策の強化や有効薬剤の開発などで速やかな防除技術の確立を要望する。

(日園連業務部生産振興課)